ストレスと乳がん再発

このエントリーをはてなブックマークに追加
心理社会的な要因と乳がん再発との関連については、これまでにいくつかの報告があります。心理社会的な要因としては、どのようにがんと向き合うか(コーピング)、心理的な負担、ストレスになる生活上の出来事が多く取り上げられ、前向きなコーピング、心理的負担が少ないこと、ストレスになる出来事を経験しないことが再発までの期間を延長するかどうかについては一定の結論が出ていません。

 心理社会的な介入(教育、精神療法、グループ療法など)と乳がん再発との関連についても多くの報告はありません。その中には、心理社会的介入を行ったグループは行わなかったグループよりも再発までの期間が長かったという報告もありますが、研究方法に問題点が指摘されるなど、現在までのところ、心理社会的介入が再発までの期間の延長を刺せるという十分な根拠はありません。

 ただ、心理社会的な要因と再発との関連は明らかではないものの、再発への不安を含めストレスを感じながら生活をされている方は多いと思います。この場合、心の中に湧き上がる不安をなくすことは、とても不可能だということを理解しておいてください。むしろ不安が生じるのは当然だと考え、そうした気持ちを無理に打ち消そうとするのではなく、不安を持ちながらも目の前のことを普段通りに行ってゆくことが大切です。しかし、不安が続き日常のことが手につかない、眠れない、食欲がない、気分が落ち込むといった症状が続くようであれば、早めに専門家にご相談ください。