セカンドオピニオン

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セカンドオピニオンとは
 セカンドオピニオンを直訳すると「第2の意見」です。つまり担当医の意見が第一の意見であるのに対し、ほかの医師の意見をセカンドオピニオンと呼びます。セカンドオピニオンを聞くことは、担当医から提示された診療内容を信じないとか、担当医を見限る、あるいはほかの医療機関に移ることを意味するものではありません。しかし、ほかの病院でなければ自分が納得する医療を受けられない場合には、病院を映ることになるでしょう。セカンドオピニオンを聞くのは①再発·転移乳がんという診断を確認したい場合、②再発·転移したときに、治療法や使用できる薬剤の種類などを知りたい場合、などがあります。
 なぜ、セカンドオピニオンを聞きにゆきたいのか、自分の気持ちを整理しましょう。はっきりとした理由もなく、セカンドオピニオンを聞きに行くこと自体が目的となってしまわないようにしましょう。


セカンドオピニオンを聞きに行ったほうがよいとき
 
すべての患者さんがセカンドオピニオンを聞きに行ったほうがいいわけではありません。担当医の説明を聞き、自分で納得できればそれで十分である場合が多いでしょう。乳がん診療を専門とする医療機関の多くは、グループ診療を行っており、一人ひとりの患者さんの診療方針をよく話し合い、標準治療を提供しています。担当医の説明を聞いても理解しにくい場合には、その旨を担当医に伝え、もう少しわかりやすく説明してもらいましょう。それでもなお、説明が理解できない、納得できないというようなときや、ほかの医師の意見も聞いてみたいときには、セカンドオピニオンを聞きにゆきたいと担当医に申し出てください。

セカンドオピニオンの手順
①現在の担当医に診療情報提供書(紹介状)などの資料の準備を依頼する。
 
診断についてのセカンドオピニオンを聞く場合、どのような検査に基づいて診断されたのか、治療に関する場合には、どのような検査結果(乳がんの性質、ステージ、結果、病状など)に基づき、どのような治療が提供されているのかや、これまでの治療内容を、セカンドオピニオンをしてくれる医師に正しく伝える必要があり、担当医に「診療情報提供書」の作成を依頼する必要がります。セカンドオピニオンに必要な資料は、セカンドオピニオンをしてくれる医療機関によって異なる場合がありますので、事前に確認してください。
②セカンドオピニオンを提供してくれる医療機関を探す
 セカンドオピニオンを提供している医療機関を探す場合は、インターネットで探す、患者団体の相談窓口に聞いてみる、担当医·看護師に聞いてみるなど、いろいろな方策を試みてください。
③セカンドオピニオン外来を予約する
 
ほとんどの場合予約が必要です。一人で受診をするよりも聞き漏らしを少なく出来ますし、緊張もほぐれますから、家族·友人に同行してもらうのがよいでしょう。もちろん一人で受診されてもかまいません。限られた時間に効率よく質問するために知りたいことを3項目程度、箇条書きにしておくとよいでしょう。できれば、セカンドオピニオンをしてれた医師から担当医宛に情報提供書を書いてもらうのがよいでしょう。
④元の担当医の外来を受診する
 
担当医の外来を受診し、セカンドオピニオンを聞いたうえでのあなたの気持ちを伝えるとよいでしょう。そこではセカンドオピニオンの内容を担当医と一緒に吟味して今後の診療に役立てる場合もあるでしょう。もし、あなたが転院あるいは転医を希望する場合にはその旨を担
当医に伝えてください。

セカンドオピニオンの費用
 
医療機関によっては、保険診療で実施しているところもあります。しかし、セカンドオピニオン提供には30分から1時間かかりますので、多くの施設では保険外診療として独自の料金を設定しています。事前に確認しておくのがよいでしょう

セカンドオピニオンの注意点
 
自分の病気に関して正しい情報を得ることは大切です。そして、正しい診断あるいは標準治療を理解して、最善の医療を受けることが大切です。ところが、自分の気に入った意見を言ってくれる医師に出会うまでは、何か所もの医療機関を受診する患者さんがいます。このことをドクターショッピングといいます。例えば、抗がん剤治療は受けたくないと思っていても、抗がん剤を行ったほうがより良い経過をもたらす場合、抗がん剤の専門家から、効果と副作用のバランスについて正確な情報を得ることが大切です。そのうえでどのような治療を選択するか、最終的には自分で決定しなくてはなりません。