乳がんと診断された時の年齢が50歳以下だった女性の約3分の2が治療の影響で閉経を迎えます。閉経の症状は、ホルモン療法や一部化学療法の一般的な副作用です。閉経は一時的なことも、継続することもあります。自然に閉経する年齢に近いほど、閉経が継続する可能性が高いです。
一時的であれ継続するものであれ、治療の間に閉経を経験するかもしれません。すでに閉経を迎えている人も、ある種の治療で閉経症状を経験するかもしれません。例えば、タモキシフェンやアロマターゼインヒビター、アナストロゾール(アリミデックス)やフェマーラ(レトロゾール)やエクセメスタン(アロマシン)のような薬剤では、ホットフラッシュのような症状の原因となりえます。
閉経の症状
閉経が一時的であれ継続するものであれ、以下のような症状を継続するかもしれません。
·ホットフラッシュ
·気分の変化
·睡眠障害
·膣の乾燥や分泌物
·性欲減退
·無月経や不規則な生理周期
たった数か月のみ閉経の症状が出る人もいれば、もっと長く出る人もいます。骨粗しょう症(骨の痛みや骨折の原因となる骨が薄くなること)になるリスクもあります。骨粗しょう症を防ぐ方法を主治医に聞いてみましょう。主治医はあなたの骨粗しょう症を継続して評価することができ、もしそうなった場合には治療を勧めてくれるでしょう。
さまざまな治療、生活スタイルの変化、補助療法は閉経症状への対応に使われるでしょう。主治医に、閉経症状への対応策の選択肢について聞き、それぞれの利益やリスクについて相談しましょう。
治療は私の妊娠能力に影響しますか?
進行再発乳がんの女性にとって、妊娠の問題は極めて複雑です。検討すべきことがたくさんあります。乳がんのいくつかの治療は、女性の妊娠能力に影響を与えます。いくつかの治療ではその治療中だけ影響しますが、ほかの治療ではその影響が持続します。1年以上生理が止まると、閉経は永続するかもしれません。もし閉経が永続すると、自然な形で子供を授かることができないかもしれません。
もし、治療の妊娠への影響に関心がある場合には、主治医に聞いてみましょう。
乳がんの治療中と治療後の経口避妊薬の内服について
乳がんの治療は、一時的もしくは永続的に妊娠の能力を減弱します。しかし、治療中や治療後に妊娠することができないという意味ではありません。
乳がんの治療中や治療後に経口避妊薬(ピル)を使用することが安全なのかそうではないのかに関してのエビデンスはありません。それ故、非ホルモン的避妊、例えばコンドーム、ペッサリー、子宮内避妊器具や不妊術などが勧められます。閉経後でも性感染症に感染する可能性はあります。コンドームは、性感染症を防ぐもっとも効果のある方法です。
不妊と適応(コーピング)すること
不妊は、受け入れることが難しく、子供を将来持つ人にとってだけではありません。診断前に子供を持つことを計画していなかったとしても、すでに子供がいたとしても、不妊によって選択肢が減ることを知ると慌てるかもしれません。
医療者に気持ちや心配について相談してみましょう。同じような立場にいる女性や心理士や精神科医と話すことも役立つかもしれません。紹介をお願いしてみるもの手かもしれません。