リンパ浮腫

このエントリーをはてなブックマークに追加
 腕、乳房、手やそれ以外の領域が液体の貯留によって浮腫(むく)むことをリンパ浮腫と言います。

原因
 手術や放射線療法でリンパ節が取り除かれたり、損傷したりすること

症状
 体の一部
 影響を受けた個所がむくみます。
(きつい衣類や装飾品や靴から皮膚が圧迫を受けていることに気が付くかも知れません。)
 ヒリヒリしたり、痛んだり、張りを感じるかもしれません。

対応策
·スキンケア
·運動
·影響を受けている部位を上に上げる
·弾性着衣(硬性包帯やスリーブ)
·認定マッサージ師によるその部位のマッサージ

リンパ浮腫の症状の予防や緩和のヒント
·皮膚を清潔に保ち、切り傷·虫刺され·ひっかき傷·やけど等を避け感染のリスクを減らしましょう
·日焼けや過剰に温めることを避けましょう(例:全身の入浴やサウナ)
·手術をした側の腕の鍼や灸、強い力でのマッサージ、美容目的のリンパドレナージュやマッサージは避けましょう。
·適切な体重を保ちましょう
·きつい、体に合っていない衣類は避けましょう
·よりアドバイスが必要な場合には、認定リンパ浮腫療法士に会いましょう  

リンパ浮腫の治療 
 リンパ浮腫の治療としては、複合的治療が有効です。リンパ管吻合などの外科的治療単独での効果は少ないと考えられています。また、薬による治療は有効でないばかりか、重篤な肝機能障害などの副作用が報告されており、行わないほうが良いでしょう。

 複合的治療とは①弾性着衣(スリーブやグローブ)や、弾性包帯(バンデージ)による圧迫療法、②圧迫療法をしている状態の運動療法(エクササイズ)、③用手的リンパドレナージ(MLD)、④尿素配合の保湿クリーム等によるスキンケアを適宜組み合わせる治療法です。スキンケアは基本的に予防の時と同様の要領で行います。集中治療はこれらを2~4週間のサイクルで実践し、定期的に腕の周囲の測定や腕の体積の計測を行い、治療効果を確認します。改善がみられたら、次は維持療法として、スキンケア、日中の弾性スリーブ、運動療法などを継続するとともに標準体重を保つようにします。セルフリンパドレナージュや波動型マッサージ器の有効性は証明されていません。あくまで圧迫療法を基本に組み合わせて行うことが重要で、圧迫療法以外は単独では持続的な効果は期待できません。
 2008年4月より圧迫療法に用いる弾性着衣や弾性包帯は、療養費扱いとして保険適応になりました。また、リンパ節郭清を伴う手術目的で入院した際には、リンパ浮腫発症を予防する目的で、リンパ浮腫に関する基礎知識や治療法などの指導に対する指導管理料の加算が認められたり、以前よりも詳しく説明を受けることができるようになりました。