痛み
骨転移の部位に応じて、腰椎→腰痛、胸椎→背中の痛み、大腿骨→股関節や太ももの痛み、骨盤→腰骨あたりの痛 み、上腕骨→腕の痛みなどが現れます。このような痛みは骨転移以外の原因でも現れますが、数日にわたって痛みが
消えないような場合には、骨転移の可能性も考えなくてはいけませんので、担当医と相談してみましょう。
また、体重のかかる部分の骨が弱くなるため、骨折を起こすことがあります。これは通常かなり強い痛みを伴いま す。腰椎、胸椎では圧迫骨折を起こします。大腿骨が骨折すると立っていることも難しくなります。
手足のしびれや麻痺
脊椎転移によって脊髄が圧迫され、手足のしびれや麻痺が起きることがあります。この場合は急いで治療をしない
と、しびれや麻痺が永久に回復しない場合があります。緊急な治療を要する場合があるので担当医や病院に連絡しま しょう。
排尿障害
脊椎転移による脊髄の圧迫により、膀胱の機能の調整が困難になり、尿の量が減ったり、尿が全くでなくなったり することがあります。
のどが渇く
むかむかする
尿の量が多くなる
お腹が張る
便秘気味になる
なんとなくボーっとする
乳がんが転移した骨から、カルシウムが溶け出す結果、血液中のカルシウムの濃度が高くなることがあります。 カルシウムの濃度が高くなると、これらの症状が現れます。治療が遅れると脱水症状が強くなり、腎臓の働きが落ち
てしまうので、早めの治療が必要です。
肺転移
呼吸困難
呼吸困難感もしくは、息切れは肺転移のある患者さんで最も多い症状です。呼吸をする時に不快で、十分に空気を 吸い込めなかったり、呼吸が浅くなります。体を動かした後に目立ちますが、原因によっては、体を横にしたときの ほうが目立つこともあります。
咳
持続性の咳も、がん自体の症状や感染によって、よく起きる症状です。
食欲低下
がん自体の症状やがんの治療によって、空腹を感じにくくことがあります。
倦怠感
倦怠感は呼吸困難、食欲不振、がん自体等様々な原因によって生じます。
声の変化
がんが声帯を動かす神経を圧迫した場合、声が変わることもあります。
顔と頚部の浮腫
胸骨の裏のリンパ節が腫大し、上大静脈(頭部、頚部、腕部から心臓に血液を運ぶ太い静脈)を圧迫した場合に 起こります。上大静脈の閉塞は、通常ならこの太い静脈から流しだされる体液が、顔や頚部や腕に蓄積する原因と なります。
肝転移
吐き気
吐き気は肝転移によってよく起きる症状の一つで、がんがあるだけで生じている症状かもしれません。肝機能が 低下すると、毒素が体に蓄積し、それが原因で吐き気を生じることがあります。肝臓ががんによって腫大すると、 胃を圧迫し、これが原因で吐き気を生じることもあります。
食欲低下と体重減少
食欲低下とそれに伴う体重低下も乳がんの一般的な症状です。肝臓が腫大し胃を圧迫していたり、肝機能が低下 していると、食欲低下はより大変になります。
疲労·倦怠感
疲労·倦怠感も乳がんの一般的な症状で、特に肝転移によりよく起こります。がん自体、食欲低下、体重低下、 低栄養によって生じることがあります。
痛み
進行·再発乳がんにより、肝臓が腫大し周りの被膜が伸ばされ、その結果痛みの原因となることがあります。上 腹部や右季肋部に引っ張られるような痛みや重みを感じるかもしれません。また、特に前かがみになると、右側の 上腹部に痛みを感じるかもしれません。痛みは、肝臓が腫大し、上にある横隔膜を刺激すると、右肩に放散するこ とがあります。
しゃっくり
肝臓が腫大し横隔膜を圧迫すると、横隔膜が痙攣する原因となり、しゃっくりが生じます。
黄疸
がんが肝臓から腸に胆汁を運ぶ管を遮ると、胆汁は血液中に蓄積し、黄疸の原因になります。皮膚と白目が黄色 く染まり、尿の色が濃くなり、便の色が淡くなります。胆汁は皮膚を刺激し、かゆみの原因となります。黄疸は、 がん細胞が肝臓を損傷すると起こり、肝機能障害の原因となります。
腹水
腹水は腹腔の過剰な水分蓄積で、腹腔の膨張の原因となります。これは不快で、吐き気と食欲低下を悪化させま す。
あざ
肝転移は血液凝固に関連する為、少しぶつけただけでもあざができることがあり、ときに原因がはっきりわから ないくらいの衝撃でも、あざができることがあります。
脳転移
脳は体を動かす指令を出しているところなので、転移巣が現れた場所によって症状が異なります。
例えば
平衡感覚障害
けいれん(間欠的)
体の一部分の衰弱、しびれ、うずくような痛み
会話や記憶が難しくなる
等の症状が起こることがあります。
また、脳内のがんは浮腫の原因となり、その結果頭蓋内圧が上昇します。これも下記に示した一般的な症状の原因 となります。
頭痛
頭痛はもっとも一般的な症状です。脳転移による頭痛は、過去あなたが経験した頭痛とは異なります。持続し、増 悪し、起き抜けに悪くなる傾向もありますが、一定の強さで持続することも、横になった時や咳をしたときに悪くな るように感じることもあります。
吐き気と嘔吐
複視や視力低下