標準治療とは?

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標準治療とはどのような治療ですか?
 乳がんの治療には手術などの外科療法、ホルモン剤や抗がん剤などの薬物療法、放射線治療などがあります。実際に個々の患者さんで治療方針を決める際には、それらの中から適切な治療法を組み合わせて決めていきます。ひと昔前までは、担当医や各施設が独自のやり方で治療法を決めることも少なくありませんでした。ただ、最近では乳がん治療の研究が進んだ結果、「この状態の患者さんには、複数の治療を組合わせて行うのが乳がんの治療を行う上で最善の方法である」ということがいえるようになってきました。専門家が世界中の研究の成果を集めて、有効性と安全性を確認し、現時点で最善の治療として合意したものが「標準治療」です。標準治療は、一つだけとは限らず、複数の治療法が示される場合もあります。
 一部の患者さんでは標準療法というと「並みの治療」でしかないのではないかと誤解されている方もおられますが、標準治療は「現時点で、患者さんに最も効果が期待でき、安全性も確認された、最善の治療」ということです。

標準治療はどのようにして決まるのですか?
 乳がんの分野では数多くの臨床試験が全世界で行われており、毎年国内外で開催される学会で多くの研究結果が報告されています。これらの最新情報をもとに専門家が集まって討議し、その時点で最善であると合意の得られた治療が標準治療となります。